日本では、成人の5人中4人が歯周病か、その予備軍であると言われています。つまり、見た目には健康な歯のようでも自覚症状がないだけで、ほとんどの人が歯周病菌に感染しているかもしれないということです。こちらでは、平日、土曜日も休まず20時まで診療している、久喜市の歯医者「さくら歯科クリニック」が、全身疾患と歯周病の関係についてご説明いたします。
歯周病とは
細菌の感染によって引き起こされる口腔内の疾患を一般に歯周病と呼んでいます。原因はいくつかありますが、歯磨きがよく行き届かず歯に歯垢が蓄積したり、歯と歯肉の境目(歯周ポケット)が汚れていたりすることで発症します。病状が進行すると歯ぐきの腫れや出血が起こりますが、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに病状が悪化していることもあります。もしこの炎症が続くと、歯の周りの組織(歯周組織)や歯槽骨と呼ばれる部位が侵され、やがて歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病の詳細と治療法などについて詳しくご紹介しています。
歯周病と各疾患
恐ろしいことに、最近では歯周病が糖尿病など全身疾患の引き金になることが判明しています。また、その逆にある疾患が歯周病を引き起こすこともあります。こちらでは、その主な疾患をご紹介します。
糖尿病
放置すれば腎症や網膜症をはじめとする深刻な合併症を発症する恐ろしい病気が糖尿病。実は歯周病の場合、この糖尿病を発症するリスクもまた大きいことがわかっていますが、歯周病を治療するとインスリンが働きやすくなり、血糖値が改善するという報告があります。
心疾患
研究では、歯周病が進行していればしているほど心疾患リスクが高まるとされています。これは、歯周病菌が産生する炎症性物質が血流を介して心臓に達し、周囲の血管にダメージを与えるからだと考えられています。
誤嚥性肺炎
だ液や食べ物が器官から肺に達することで引き起こされる感染症を、誤嚥性肺炎と言います。主な原因はだ液に含まれる細菌ですが、歯周病菌もこれに含まれます。加齢などにより誤嚥を起こしやすい方は注意が必要です。
早期低体重児出産
妊娠中の女性は“つわり”により口腔内の清潔が保たれにくくなるため歯周病になりやすく、さらに歯周病が低体重児出産や早産のリスクを高めます。原因はやはり歯周病菌がつくりだす炎症性物質。へその緒を通じて胎児にも影響を与えます。
骨粗しょう症
主に高齢者が歯周病を進行させる要因のひとつとして挙げられるのが骨粗しょう症。骨粗しょう症は全身の骨が弱くなる病気ですが、これは歯を支える歯槽骨にも影響を与えます。歯槽骨が弱くなると歯周組織の破壊も進むからです。
加齢に伴って進行しやすくなる歯周病
細菌などへの免疫力は加齢により低下します。そうなると細菌に感染した歯ぐきや骨の治癒力が衰え、組織の修復が追いつかず、歯周病が進行しやすい口腔環境になります。歯周病が悪化すると、筋力の衰えも加わって咬む機能が低下したり、歯周病菌の繁殖で口臭も強くなったりします。さらに上述のように、全身症状を伴う疾患に発展しやすくなります。できればまだ若い30、40代からしっかりとケアしておきたいものです。